出版社/著者からの内容紹介
この本が本格的な理論書である理由は、対局ソフトを作る上で見つかった新しい概念、つまり「安定性と確定性」や「制約条件」などを定義する事によって「1手の価値」や「形勢判断」の内容を詳細に解明することが出来たからです。
その内容は、囲碁の着手は、「形勢判断」での優劣によって、その構想が大きく変化する事や、「1手の価値」は、地の大きさだけではなく、(生きる価値+地の大きさ)が正しい価値であるという事など、数多くの新発見がありました。
また、その他、数多くの法則性が整理してあるので、明快に囲碁の基本理論が学べる仕組みになっています。
囲碁の必読書として是非一冊お手元に置いて頂きたい本と言えます。
内容(「BOOK」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
抜粋
◆ 必然性へのアプローチ
囲碁のゲーム理論として重要な研究テーマに「着手の必然性」
があります。必然性には「部分的な必然性」と「全局的な必然
性」との2つからの視点がありますが、「全局的な必然性」の方
がより優先される傾向にあります。このような必然性が「どの
ような原因から生まれ、また関連しているのか」という研究解
明が、この本の基本テーマになっています。
◆ 必然性が生みだす「可能性の減少」
ゲーム理論から着手を考察する場合、手順進行によって起こ
る「地として囲える空間の広さの減少」が、大きな影響を与え
ています。つまり空間の減少が「生きる可能性の減少」を引き
起こし、それが「全局的な必然性」を生み出す大きな要因にな
るためです。この結果、基本戦略として碁盤中央の石は「効率
よく地を囲って生きる」ことが困難になることから、「相手の石
を攻めながら、地を囲って生きる」という必然性を利用した戦
略が生まれることになります。